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[2015年3月卒業]
今年度卒業証書をいただいた。
昨年度までに卒業された皆さんに申し訳ない気持でいっぱいだ。なぜなら私が卒業証書の価値を大幅に下げてしまったと思うから。今思っていることは、これから少しでも進歩して、いい演技ができるようにし、皆さんをがっかりさせないようにしたい、ということ。
もちろんこれからもレッスンを続けるのは、先輩方のためというわけではない。自分自身のためだ。演技の世界は豊かで奥が深く、魅力的だから。

子どもの頃演劇にあこがれていた私は、社会人になり、その思いを封じ込めてきた。しかし時にその思いが頭をもたげた。そういう時は、「演劇は架空の世界だ。私は現実の世界で活動しているのだ。」と自分をなだめすかした。でも退職したら演劇をしよう、と夢を描きもした。
そして早めに退職した私はこのスタジオCANの門を叩き、アマチュアコースに入った。演じるのは簡単なことと思っていた私は、それがとんでもないことだとすぐ気づくことになる。
最初の体験レッスンから、「難しい!」と思った。体操でつまずくし、発声のカリキュラムでは他の生徒さんと比べものにならないほど時間がかかってしまった。でも辞めたいとは思わなかった。その一番の理由は、先生が決して諦めず、導き続けてくださること。

私は昔、「演劇は架空の世界」と思った。今も一面から見ればそうだと思う。しかし「演技」に関して言えば、本当のことしかやってはいけないのだ。そのこと をスタジオCANで学んだ。観る人には、本当のことをしているかどうか伝わってしまう。嘘は見抜かれるのだと実感を持って理解する。理解しながらも、本当 のことが私にはなかなか出来ない。私に染みついた「演技=それらしく振る舞う」というイメージが洗い落とせないのだ。しかし、「本当の演技」に向かう道が 見えることがある。ある時は先生の温かいひとことの後で、ある時は先生の恐ろしい(?)ダメ出しの連続の後で。そしてスタジオで道が見える時もあれば、帰 りの電車の中で突然目の前に道が開けることもある。鈍い私の感覚がやっと働き始める、その時……楽しい。
先生の示す人間観には感動するときもあれば、正直言って「こわい!」と思うこともある。よくよく考えると、人間のいろいろな側面、受け入れ難い側面も受け 入れていくのが演劇人の精神なのだ、と腑に落ちる。そしてアマチュアコースの私達にも演劇人としての矜持を披瀝していただくことに、言い様のない感動を覚 える。
教材となる作品やその登場人物の捉え方の深さにも感動する。先生の捉え方を知ると、自分の捉え方の底の浅さに愕然とする。だから……学び続けたい。

そろそろこの文章を閉じたいのだが、そもそも卒業感想文とは何について書くのが正解なのだろうか。
「ここまで書いておきながらそれはないでしょ。」と自分に突っ込まなくてはいけないところだが、「そうだね。」と自分に言ってあげたい気もする。なぜなら最初に書いたように、「私は卒業証書をいただくにはふさわしくない。」と自覚しているからだ。
しかし先生は「卒業証書は敢闘賞のようなもの。」とおっしゃってくださったので、先生が私の頑張りを認めてくださったと喜ぶことにしようとは思っている。 確かに私は出来なくても諦めなかったし、今も諦めない。少しは出来ることも増えてきた。 でも賞をあげるなら私は先生に差しあげたい。先生は、遅々とした歩みの私を見放さないで指導してくださっていらっしゃる。時間の長さだけではない。先生の 指導の一瞬一瞬は、気を抜かない、感覚を研ぎ澄ましての、一瞬一瞬だ。珠玉の時間をくださる先生に、感謝の気持ちでいっぱい。

「卒業感想文として書くべきことが分からない。」と書いたが、卒業証書をいただいたことに対しての身が引き締まる思いがどんどん成長してきていることに、今、気がついた。その思いの中にある決意のいくつかを最後に記す。
○ 先生が言い続けてくださる「体操が一番大切。」を大切にしよう。ここにはたくさん の宝物が隠れているはずだから。
○ 身についたと思っても油断せず練習し続けよう。練習しなければいつかできなくなっ ているということがあるのだから。
○ 身についたことも、正しく身についているか、見直してみよう。自分の都合のいいよ うに変えてしまうのが人間の特性だから。
○ 理解してもしなくても先生のダメ出しを受け止め、勇気を出してやってみよう。自分 の理解の範囲の外に、自分の知らない自分が見つかるのだから。

卒業証書は私をもう一度原点に戻らせてくれた。先生ありがとうございます。

付け足し
スタジオCANの皆さんは、先生を含めて私より若い方達ばかり。若い人大好きだけ れど、私ぐらいの年齢の人も入ってこないかなあ。先生は高齢の(?)私にもちゃんと厳しくしてくれる。私はそこが大のお気に入り!厳しく温かい指導のも と、進歩し続けようという「気持の若い」方、待ってます!(0020)

 

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[2014年3月卒業]
スタジオCANにお世話になるようになって早6年。
卒業を迎えて改めて振り返ってみると,あっという間に過ぎたように感じます。
入学したての頃は,発生が思うようにできず,同じクラスの先輩のように出来るようになりたい・・と早起きして練習していたのですが,誤った練習をしたこともあり,ノドを枯らしてしまうことも。カリキュラムが進んでいくと,会話劇や朗読劇に取り組めるようになり,初見で読んだ面白さをいざ自分で表現してみようとすると,気持ちばかりが先行して空回りばかり。レッスンの帰り道で自分のレッスンを振り返っていると,あまりにも出来なさ過ぎて呆れてしまう程でした。

それでも,次回は今回よりは出来るようになりたいと気持ちだけ?は持って練習してきたつもりですが,自分では進歩があったのか無かったのか半信半疑のまま卒業を迎えたように感じます。
人前で演技をして伝えることの面白さと,それ以上に観ている人に伝えることの難しさを勉強させていただいと思います。

卒業は迎えましたが,まだまだ出来ないことがたくさんありますので,これからも演技の勉強をし続けていきたいと思います。(0018)

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[2013年2月卒業]
ある程度カリキュラムが進んで、発表会にでて卒業と言われても、なかなか自分ではピンとは来ないものでした。

だけどこうやって卒業という区切りで振り返ってみると前は出来ていなかったことが出来るようになっていたり、体の使い方、重心、体幹、見え方、話し方、の意識が無意識でするようになったりしているのがわかる。

基礎ってのは身に付けるまでが大変。そういう意味では卒業とはここでの基礎が染み付いてきた証なんだなって思う。

変な話、正直言えば自分次第でもっと早く卒業できていたのだろうなとも思える。

結局自分が反復をして身につけて次のカリキュラム、反復して身につけて次のカリキュラムという当たり前の努力を単純にしていれば良かった。

もし、この卒業生の言葉を見る機会がある人がいたらこれだけは言える。
「正しい努力だけをすればいい」

言われたことある人も無い人もピンとは来ないだろうけど、本当にそう。
振り返ればこんな簡単で単純で正しいことだった。って思う。

どんなカリキュラム、朗読劇、会話劇でも、どこかに自分のやり方や考え方は混じってしまうと思う。
そっちを主体にしないで欲しい。
習いに来てるんだから教わった枠の中で自分のやり方や考え方が合ってるのか否か。
否ならやり方や考え方を捨てた方がいい。
その重りが先に進めなくしてるから。

だから「とりあえずやってみる」

これは凄く自分を先に進めてくれた考えだと思う。ダメを出来ないから言われたことをとりあえずやってみる。
それだけで案外出来たりするもんよ。

この少人数クラスでちゃんと個人指導で学べる強さ。ちゃんとダメが出てそれを自分で切り開いて成長していく過程を楽しむ。ダメが自分を成長させてくれる栄養になってるということ。

振り返るとなんでもっとやってこなかったか。そんな事ばかり思う。
だからこそ次に振り返ったときにそう思わないように努力をしていくんだと思える。
卒業という通過点を経てそう思う。
頑張ろう、と。(0017)

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[2011年2月卒業]
卒業、果てしもなく寂しくて、果てしもなく嬉しい矛盾な響き。この響きがこんなにも早く届いてくるとは夢にも思わなかったです。平成23年度をもって、私イムジェホンはスタジオCANを卒業いたしました。

4年前、大学入学と同時に入り、大学卒業と同時に卒業する事になったスタジオCANは、大学生活で最も大切な時間を与え続けてくれました。それは、気付きであったり、反省、練習、学びや夢など本当に多くのものです。最初入った時の志は日々大きくなるばかりでした。そして、卒業した今になっては夢に向かう道しるべとして存在し続けています。

実は、大学卒業とともに兵役関係などで帰国する事になり、しばらくスタジオを離れざるを得なくなりました。しばらくの間、日本を離れ、CANを離れる事がすごく寂しく感じます。こう思えるのも、毎回を真剣に取り組んだからこそなのかも知れません。

そしてなにより、スタジオCANの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。基礎の基礎から演技や役者としての生き様を教えてくださった先生、時にライバルであり時に同じ道を歩む仲間としてともになったレッスン生・劇団の皆様など、感謝の言葉は絶えません。これからも演劇と言う媒体の上ずっとつながり続ければと思います。
本当の勝負はこれからだ.がんばります!!!ありがとう。(0014)
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