笹森聖乃(ささもりきよの)

[2018年2月卒業]

役者になりたい、そう思ってスタジオCANに入りました。
入った当初は、まず自分が思っていた演劇の世界とのギャップに戸惑いました。その時初めて自分が生半可な覚悟でこの世界に足を踏み入れてしまったことに気づき、しばらくそのギャップを埋められないでいました。やめたいと投げ出しそうになったこともあります。でもその時に「本当に精一杯やったの」という言葉で気づかされ、改めてまた頑張ろうと思いました。

五年経ち、卒業証書をもらった今、あの時やめなくてよかったと本当に思います。あの頃の自分からしたら、まさか自分が卒業証書をもらって、まだ役者をやっているなんて思ってもみなかった。今でも度々悩むことがありますがその度にあの言葉を思い出して今日の今日までやってきました。

はっきりいって自分はまたまだ一人前の役者には程遠いです。私は演技を形で捉えてしまいがちで、そこは卒業した今でも苦戦しているところです。演技は嘘をつくことじゃない、本当に生きることだという絶対的な教えをまだ身につけられないでいます。それを身につけられた時に初めて演劇の「本当の楽しさ」というものが分かるんだと思います。その時、やっとスタート地点に立てるんじゃないかということも。

あの頃より変わった部分も確実にあります。発声一つにしても、最初はあんなに声が出なかったのに、今はかなり出る様になった。正しい練習を繰り返し練習し続けることがどれほど大事で重要なことなのか改めて気づかされます。「継続は力なり」という言葉がありますが、CANにいるとその意味がとてもよくわかります。間違った自分のやり方でやり続けていても意味がなく、どれだけ言われたことを素直にやり続けるか、それが自分の今までの課題であり、これからの課題でもあります。

基礎は沢山教えてもらいました。それをどれだけ応用していけるかがこれからの自分の成長に繋がっていくはずです。基礎というと蔑ろにしてしまいがちですが、何かにつまづいた時こそCANで教えられた基礎を思い出して、これからもやっていこうと思います。(0023)